合地の宮・合図の宮

合地の宮・合図の宮・霧訪山 所在地:辰野町


『伊那の古城』篠田徳登より  昭和39〜44年執筆


勝頼奉納の釣り鐘 

 霧訪山(きりとう)一、三〇五米。この山を小野の人たちは合地(おおち)の宮といい、宗賀村の人たちは合図の宮という。ここに登れば一望千里とも言う程で、諏訪・筑摩・伊那が一望出来、御岳山が見えるそうだ。

 小野神社の神宝に武田勝頼の奉納した釣り鐘がある。永禄七年、大檀那諏訪四郎神勝頼とある。この釣り鐘は高さ一米くらいの余り重い鐘ではないが、この鐘に、ひび割れと、穴があいている。小野の盆地は水に不足しがちなので、雨乞いのために、この鐘を霧訪山か川鳥まで持ちあげてあらしくずし、神の怒りをかって大雨を求めたという。その時のキズが残っている。[p7]


関連項目:たのめの里小野神社・矢彦神社合地の宮・合図の宮上田城・畑ヶ中川鳥城草野の古城小野の東山道